最近、血液クレンジングが話題になってたり、献血のポスターが問題になってたりで、献血関係の本を読みたいな〜と思って探したのがこの本でした。

ちなみにAmazonは中古本しかもう売ってなかったです。


売血が行われてた時代で、この著者が実際に日本とアメリカの売血の仲介業者/売血現場に潜入して、どういったことが行われているのかを調査しています。

その売血の現場で、売血者たちのインタビューも行われています。

やはり売血をしている人は、その日の生活に困る人が多く、
その中でも、前科があり就職が困難な24才の
「犯罪を犯して世間を狭くするよりは自分の声明を縮めても売血して生活したほうがよい」という言葉には、とても考えさせられました。

売血者は、無理な売血を繰り返すことで寿命が縮むことをわかっていました。
著者の調べでは、10年以上売血をしているほぼいなく、 そもそも5、6年売血して1度病気になるとそのまま回復することなく亡くなる場合が多いから、と。

プロの売血者たちは顔見知りのグループができていて、誰かが検査が通らなくてその日売血ができないと、そのぶんお金を貸していた、ということもしていたそう。
そんな中、しばらく顔を見ないと思っていたグループの仲間が死んでいた。売血を繰り返していると自分もいずれ死ぬことを自覚しながらも、少しでも長く生きるために売血をして生活をしなければならない。と。

やめたいけど、血液銀行というお金を稼げるものがあり生きるためにせざるをえない。

献血する人が足りないと売血を復活させろ!なんて声がよく出るけれど、この本を読むと絶対そんなこと言えないな、と思いました。


献血しているから、国内の血は自給自足だと思っていたのですが、輸血用血液は日赤管理ですが、血漿分画製剤は2006年まで実はアメリカの売血の輸入品が使われているとのこと。

ちなみに2019年の今はどうなの?と思って調べてみると、2017年の記事がでてきました。
https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-11121000-Iyakushokuhinkyoku-Soumuka/0000192771.pdf
まださらっとしか読んでいませんが、完全自給自足ではなさそう。


日本は売血を禁止しているのに、海外から血を買う。日本が買うから、前述したプロの売血者たちのような思いをして生きている人が少なからずいる、という現状にははっとさせられました。


また、売血の話は「昔そういうことがあった」くらいにしか知らなかったけれど、本当に昔の人が頑張ったから今の形になったんだんだな、と。(そもそも一元管理は無理だと言われていた。)

売血者がこんな状況にも血を売ることができたのは、医者がそれをみてみぬふりをしていた、という実態もあったそうです。
なぜそうせざるを得なかったのか、までは言及されていませんでしたが。

この前人工血液の動物実験成功のニュースをチラッと見ました。
人にも応用できて、本当の意味での安全な血液が供給できる日が早くるといいな、と思いました。

そして話は冒頭に戻るのですが、血液クレンジングで叩かれるべきは誰で、どうしていまだに血液クレンジングを提供している病院があるのかな…と、自分でもまとまらずぐだぐだ考えています…