今更ながら、読みました。やなせたかし先生のエッセイ。これは、高知新聞で月2回書いていたエッセイをまとめたものだそうで、古いネタも少々あります。
その中でも覚えている言葉。

しょせん何もかもすぎてしまえば夢と同じである。


これは本編のほうではなく、あとがきに書いてある言葉です。
良かったことも悪かったことも、夢と同じ。それを踏まえてどう生きるか。

やなせ先生は、エッセイでしきりに「もうすぐ死ぬ」とさんざん言っていますが、それでも生前のインタビューの最後には「まだ死にたくない」と。アンパンマンはおもしろいところに差し掛かった。

あれだけインタビューにしっかりと答えていた方が、数か月後には亡くなってしまうなんて。衰えを実感していくのは恐怖だっただろう。まだまだやりたかったことがあっただろう。

悔いのない人生と、まだまだやりたいことがある人生。
どっちが幸せなのだろう。
前者の方を望む人が多いだろうが、それでも私は後者のような人生を送りたい。